- 宮本昇 / Noboru Miyamoto
フィボナッチの黄金比率/写真/グラフィック/構図/レオナルド・ダ・ヴィンチ/写真家/宮本昇
更新日:2021年2月4日
フィボナッチの黄金比率を知ってから写真が圧倒的に面白くなった。
そもそも黄金比率というと
1:1.618
の比率の事。約 5:8 8:13の事で、
イタリアの数学者レオナルド フィボナッチにちなんでつけられた名前らしい。
ここでは数学やフィボナッチの話は割愛させてもらってグラフィック視点から見た黄金比率は僕たちの脳にはこの画角は美しいと思わせるようにインプットされているのだと思う。


この黄金比率の性質としては、
1:1,618の比率の長方形から正方形を切り抜くと残った長方形も黄金比さらに正方形を切り抜き残った場所も黄金比と無限に続いていく。
ちなみに正確な黄金比は、「1:1.6180339887…」というように、円周率と同じで小数点以下が限りなく続く。


黄金比は自然界にもたくさん見つかる生きた化石のオウム貝やひまわりの種、台風。


神秘の法則、黄金比率を追求していた有名なアーティストといえばレオナルド・ダ・ヴィンチ。彼の作品の中にはたくさんの黄金比が見つかる。

一番美しいとされるバランスで構成されていて顔の目から上と下の比率も1:1,618に当てはまる。
他にも「 白貂を抱く貴婦人(Lady with an Ermine)」

「受胎告知」

「ブノアの聖母(The Benois Madonna )」

レオナルドの作品はほとんどこの法則が当てはまる。
有名な「ウィトルウィウス人体図」もこの通り見事この比率で構成されている。
ダ・ヴィンチは作品を見る人が自然と美しいと思うように黄金比を使っていたのだと思う。

レオナルド・ダ・ヴィンチは人体にも黄金比率を発見していたとされている。
人体解剖にのめり込みこの時代にメモで残した人体の構造はダ・ヴィンチによってほぼ全て解明されていたらしい。
この時代は宗教的な思想が支配されている時代で人間は神によって作られたとされていて、科学は異端とされていたと思われるんだけど、レオナルドは近代的な理性を持っていたみたいで、美しさを数学や解剖といった形で追求することはこの時代の教えに背くものでその後ローマ法王が人体解剖を禁止したらしい。
あとこちらも紹介しておこうかな。
黄金比マスクというものがあって
生き物が見て美しいと感じる。黄金比率1:1.618を利用して、人間にとって最も美しく感じる顔の比率を再現したマスク。

これにハマるとバランスの取れた美しい顔になるらしい。
橋本環奈さん

広瀬すずさん

沢尻エリカさん

オードリーヘップバーン

そしてこの黄金比率を頭に置いておいて写真の構図の考え方をまとめてみよう。
わかりやすく簡単にしたもので写真の画角って3分割法がある。この縦横を3分割した撮影補助線をグリッドラインという。

グリッドラインは、カメラの設定から表示が可能。
縦横比率が1:1:1に、このクロスする場所を構図を決めるポイントとして画角を決定する。そうすると必然的に黄金比に当てはまるということなんだけど、
もうすこし具体的に書こうかな。
そして黄金比率で一番大切なのは、線ではなく線が交わる点の部分。
縦線と横線が交差する点が4つある。写真を撮る時は、1つの点とそれを囲む4つの四角に主体を持ってくると、全体的にバランスの取れた作品に仕上がるようになる。
黄金分割


とにかく黄金比率を使った写真の撮り方はこのクロスポイントに主体を置いて画角を決めれば綺麗に決まる。
この難しい比率の画像に対して
の説明もぜんぶ黄金比率にはめてるだけ
だから。とにかく1:1,618のオウム貝の方程式を頭にインプットすれば必然と画角は決まってくる。
下記の様に、外枠に対角線を引き、その交点を上下に伸ばし、上下と外枠の交点から外枠のコーナーを結ぶ線を引く。その線と対角線の交点に水平線と垂直線を引くと、外枠を3等分することになる。
3分割された位置に物を配置する構図が良い。

Model; 椎名まき

無理やり感あるくらい自然にできたら画角がいつも綺麗なところに落ち着く。
デジタルカメラの性能がかなり良くなってきている昨今。
ISO感度、シャッタースピード、絞り
という適正な写真を撮るに必要なこの3つの要素はほぼデジカメのオート機能で完成していると僕は思っている。
なかなか数値化しにくく計算できないところに関してはまだまだ人間の感覚が必要なのだと思う。
だから写真でいうところ、レンズのセレクト、構図や画角の決定は人間の手で行なわなければいけない。

Model : Fabana Mia @miav.me
撮影している段階ではカメラに備え付けのグリッドガイド表示させていつも撮影している。
そしてCapture Oneで現像作業をする中でトリミングも行なっている。
今例にあげている写真はわかりやすいようにphotoshopでgolden richの画像を重ねている。
Capture ONE 10には画角見るグリッド表示に黄金比率が使われていたんだけど、現行のCapture ONE20には黄金比率のガイドは無くなっている。
Model: 宮崎華帆 @_chankaho_
こんな感じでいつも写真撮るときにいつもこんなガイドを想像している。
というよりも頭に入ってるし、クリエイティブなことがやるときは自然にこの比率を使っている。モニターが黄金比率でできているからそれにあわせると自然にそうなるのかな。
ただ対象物にたして非対称的だったりパースがついたりしていると黄金比率に治らないこともある。そのようなことにならないように対照的にまっすぐに写真を撮るようには気をつけてるかな?
そのときに待ち合わせによるレンズにもよるけど
上記の作例はすべて50mmのレンズでとっている。
Capture ONE 10には画角見るグリッド表示に黄金比率が使われていたんだけど、現行のCapture ONE20には黄金比率のガイドは無くなっている。
黄金比率って使われているのはグラフィックやアートの世界だけでなく、
世の中にあるものよく見てみると1:1,618の比率に収まるものって無数に見つかる。
生活していると「あれ、これ黄金比率じゃん」ってよく思う。
間取り図とか建築物やデザインされているものやクレジットカードやテレビやモニタースマホ画面など
人工的に作られていない自然の光景や物を見ているととても美しいと思う。
all Photos 宮本昇@noborumiyamoto
今ままで読んだオススメの写真の本、これから読む本僕のアマゾンのほしい物リストに追加されている本のリンク貼っておきます。